糖尿病よくある質問

(1)日本には糖尿病患者は多いのですか。どれくらいいるのですか?

世界平均の約3倍の発症率です。具体的には、日本に約690万人の糖尿病患者がいます。そのうち、自分が糖尿病だと気づいて通院しているのは約220万人です。40歳以上の人の割合で見ると、10人に1人が糖尿病患者ということになります。

一方、糖尿病になりそうな「糖尿病予備軍」がその他に700万人います。つまり、日本人1億2千万人のうち、約1400万人が糖尿病関係で早死にしてしまう可能性を持っています。

(2)毎日よく運動しているし、太ってもいないのに、糖尿病になってしまいました。そんなこともあるのですか?

糖尿病は遺伝的な原因で発症することが一番多いといえます。太らないように注意して、毎日運動していても、遺伝的な因子が強ければ、糖尿病になることももちろんあります。もし、あなたが運動もせず、太っているなら、もっと若いときに糖尿病を発症していたことでしょう。

(3)一度糖尿病にかかると、もう完全には治らないのですか?

「よくなりましたね」と医師に言われても、糖尿病にかかったときの生活、体重だと、また糖尿病になります。治療に取り組んで状態がよくなっても、それは「完治した」という状態ではないのです。もとの生活に戻ると、また糖尿病を発症します。

したがって、一度糖尿病にかかったら、「完治する」ということはありません。いい状態を保つことを「良好にコントロールされている」といいます。一度でも糖尿病だといわれたら、「良好にコントロールしつづける」ということを目標にしてください。

(4)「コントロール良好の糖尿病」という表現を聞きますが、どういう意味ですか?

一度糖尿病にかかれば、その人は「糖尿病の因子を持っている」ということになります。因子をもっていることがわかれば、その人にとっては「糖尿病が完治した」という状態にはなりません。あくまで、血糖値がちょうどよい数字に保たれているかどうかが重要問題になります。

体重を減らして、よく運動するようになって、血糖値が下がっても、「糖尿病が治った」とは表現せず、「コントロール良好」と表現します。

「治った」と表現すれば、はしかやおたふく風邪のように「もう二度とかからない」と連想してしまいます。しかし、糖尿病の場合はいったんよくなっても、生活態度により、また悪化することがあります。したがって、「糖尿病は、糖尿病だけど、コントロール良好な状態」という表現が適切と判断されるのです。

(5)「コントロール不良の糖尿病」という表現を聞きますが、どういう意味ですか?

糖尿病で、血糖値がちょうどよい低さに維持されず、高くなったままの状態を「コントロール不良(の糖尿病)」と表現します。

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