糖尿病の種類
(1)糖尿病は大きく2種類に分けられると聞きましたが、どのような2種類なのですか?
すい臓のランゲルハンス島からインスリンがほとんどでなくなってしまう「インスリン依存型糖尿病」と、インスリンはそこそこ出ているのに血糖値が高くなってしまう「インスリン非依存型糖尿病」です。
前者の場合は、インスリンを体外から補うためにインスリン注射が必要です。後者の場合は、体内のインスリンが有効に活用されるように、生活を改善することが治療の中心課題になります。
(2)大きな2種類以外にも、糖尿病の種類はあるのですか?
妊娠中にのみ発症して、胎児に悪影響を与える「妊娠糖尿病」や、手術によるすい臓摘出、すい臓ガンによるすい臓機能低下、血糖を上げるホルモンの過剰分泌、などによって起こってしまう「二次性糖尿病」が挙げられます。
(3)I型糖尿病、II型糖尿病って何ですか?
インスリン依存型糖尿病をI型糖尿病、インスリン非依存型糖尿病をII型糖尿病といいます。I型糖尿病は若年者に発症しやすく、II型糖尿病は中高年者に発症しやすいのが特徴です。
(4)インスリン依存型糖尿病(I型糖尿病)について詳しく教えてください。
すい臓からのインスリン分泌に、あるとき突然異常が生じて、インスリンがでなくなります。そのため、突然の高血糖症状が出現します。15歳以下の若い人に発症することが多く、まさか糖尿病だとは思わないので、重症になってから気づくこともしばしばです。
血中に特殊な抗体(抗GAD抗体や膵ラ島抗体)が検出され自己免疫過程の存在が確認される場合は「自己免疫性」と言われます。この型の糖尿病を発症する人は、糖尿病全体の2~3%と少ないのですが、治療のためにはインスリン注射が絶対に必要です。
(5)インスリン非依存型糖尿病について詳しく教えてください。
インスリンはそこそこに出ているのに、遺伝的な原因や運動不足、ストレス、食べ過ぎ、肥満などが原因で糖尿病になっている場合を「インスリン非依存型糖尿病」と言います。糖尿病患者の80%以上がこのタイプです。一般に中高年者に多く発症するので、かつては「成人型糖尿病」と言われていましたが、最近は若い世代で発症する人も増えてきたので、名称が「インスリン非依存型糖尿病」というようになりました。
通常は、インスリンそのものが極度に不足しているわけではないので、インスリン注射は不要ですが、場合によっては注射を行うこともあります。