糖尿病の治療目標に関して

(1)糖尿病だとわかれば治療が必要になると思いますが、どうなることを目標に治療に取り組めばいいのですか?

結局は、不自由なく長生きできることを目標にします。そのためには、合併症を起こしてはいけません。合併症を起こさないためには、血糖値を適切な数値に保た(コントロール良好にする)なければいけません。血糖値を適切な数値に保つためにどうするかが治療です。しかも、血糖状態の悪い人を早く見つけなければいけません。

以上をまとめると、糖尿病治療の目標は、

「早期に糖尿病を見出し、治療を中断することなく血糖コントロールを維持し、血圧、体重、血清脂質の適切なコントロールにより網膜症、腎症、神経障害などの細小血管合併症、虚血性心疾患、閉塞性動脈硬化症、脳血管障害の発症・進展を阻止し、糖尿病でない人たちと同じ生活の質と寿命を確保することにある」

ということになります。

(2)糖尿病治療の数値目標はどのようになりますか?

空腹時血糖値140mg/dl以下、食後2時間の血糖値が200mg/dl以下、ヘモグロビンA1cが6.5%以下となれば、ほぼ満足できます。ただし、理想的には空腹時血糖値100mg/dl以下、食後2時間血糖値120mg/dl以下、ヘモグロビンA1c5.8%以下を目指したいものです。

(3)糖尿病がはじめて見つかったとき、すでに網膜症が始まっているといわれました。早くもとの糖尿病を治療しなければ・・・と思いますが、注意点はありますか?

急いで血糖値を下げてはいけません。1ヶ月でヘモグロビンA1cが0.5%くらいずつ下がるペースの治療が最適です。慌てて血糖値を下げると網膜症が一時的に悪化することがあります。

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