3つの第4栄養素
日ごろの食生活では、主に三大栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質)を摂取しています。何を食べても、三大栄養素は身体の中に入ってきます。
その三大栄養素以外に、健康状態に大きな影響を与える食物成分があります。それらを第4栄養素と名づけます。また、三大栄養素の中でも、特に多めに摂取すると身体機能に好影響を与えるものは、第4栄養素に含まれます。糖尿病の経過に好影響を与える第4栄養素の代表を3つ挙げて、説明します。
EPA(エイコサペンタエン酸)
体内につく脂質をEPA優位に
食生活の欧米化が進んだ結果、糖尿病以外にも心筋梗塞、脳梗塞、大腸ガン、乳ガン、前立腺ガンなども増えています。これらは、糖尿病の合併症としてよく見られる病気であることをご存じですか?
こうした病気にかかりやすい人にはある共通項が潜んでいます。それは、体内の脂肪酸がアラキドン酸優位になっている、いわば「アラキドン酸体質」になっていること。体内の脂肪酸には主に24種類ありますが、系統で分けると、肉系の脂(パルチミン酸など)はコレステロールの材料になり、植物系(リノール酸など)は体内でアラキドン酸に変化します。植物性の食用油(紅花油、マーガリンなど)やお菓子(とくにチョコレート)をよく食べる人はアラキドン酸体質の可能性が高いといえます。
アラキドン酸体質は「炎症」「痛み」「血小板凝集(血液ドロドロ化)」を誘発する明瞭な薬理作用を持っています。ここで大切なのは、アラキドン酸体質を改良し、その正反対の体質を作ること。そのためには魚系の脂肪をたっぷりとって、「EPA体質」を作ればよいのです。
肥満ぎみの人は、アラキドン酸系の脂肪がたくさん身についていますから、まずはダイエットをしてから、体質改善に取り組みましょう。
糖尿病を防ぐには「体質を変える」こと
- 近年、食の欧米化により、アラキドン酸体質の方が爆発的に増加
- 糖尿病患者にはアラキドン体質の方が圧倒的に多い
- 長年アラキドン体質の方は、心筋梗塞、脳梗塞、大腸ガンなどリスクを高める事に
- 糖尿病患者も心筋梗塞、脳梗塞、大腸がんの発症リスクが高くなる
青魚に多く含まれる栄養素であるEPAを多く摂取している「EPA体質」の方は、心筋梗塞・脳梗塞・大腸ガンに予防的。糖尿病を治すには、EPA体質になることが重要です。
クロム
インスリンの作用を促進し、ダイエットにも効果的
糖尿病治療を円滑にすすめるためには、自己生産のインスリンが効きやすい体質、エネルギー消費型の体質へと身体を改良することが大切です。そのための主要成分がミネラルのクロムです。クロムは筋肉に対するインスリンの作用を促進します。結果、体重も減ってきます。
クロムでエネルギー消費型の体質へ
- 医薬品を使いたくない
- 血糖値は高めだがお酒はやめたくない
- ダイエットがなかなかうまくいかない
という方は、クロムのサプリメントをお試しください。重い糖尿病からの回復を遂げた人には、クロムを補給しながら治療に取り組んだ人たちが多くいらっしゃいます。
桑の葉成分のDNJ効果
腸もスッキリ!体もダイエットモードに!
米、小麦などの炭水化物を食べると消化・吸収されて数分後から十数分後には血糖値が上昇してきます。炭水化物は胃腸の中でどのような過程で血液中のブドウ糖になるのでしょうか。
- 胃の中で十分にこねられる
- すい臓の消化液で分解される
- 小腸壁のα-グルコシダーゼでさらに分解される
- 小腸から吸収された単糖類のほとんどは肝臓でブドウ糖に変換される
ここで、α-グルコシダーゼが働かなかったら?
(α-グルコシダーゼがブロックされると吸収されない=DNJ効果)
- 二等類は単等類へ分解されない。したがって小腸から吸収されない
- 大腸内では腸内細菌の作用で二等類は発酵する。その結果炭酸ガスと水を生じる
- 炭酸ガスは大腸の運動を促進する
この結果、血糖値はおだやかになり、腸内がすっきりします。